オカムラ 社長
「差」ではなく「違い」で売れ
オフィスを激変させるオカムラ戦略
コロナ禍で一気に拡大した在宅勤務の影響で、続々とオフィスを縮小する企業や、本社を郊外に移転する企業が急増。そんな中、過去最高益という驚きの業績を叩き出したのが、オフィス家具のオカムラだ。オフィスが減れば、オフィス家具は売れなくなると思いきや、オカムラが注力したのが「ライトサイジング」という新たな戦略。必要なオフィス機能を分析し、働きやすい最適の空間を提案するという。これが、効率的なオフィス活用と新たな働き方を模索していた企業から引っ張りだことなった。リモートに最適な作業ブースや、立っても座っても仕事がしやすい自動昇降デスク、さらにカフェスペースなど…。独自の商品を組み合わせた「人が活きる」空間を提案していったのだ。
飛行機や車にも挑んだ…異色ものづくり集団
オカムラの創業は1945年。横浜の岡村町で日用品や米軍向け製品を作ったのが始まり。創業者をはじめ、技術者集団だったオカムラは、53年に戦後初の国産飛行機を完成、飛行に成功する。57年には国産初トルクコンバーター式オートマチック車「ミカサ」を発売するなど、精度の高いものづくりを武器に様々なチャレンジに挑む集団だった。オフィス家具事業でも「良い品は結局おトクです」を貫き、価格競争をしなかった。80年にはオフィスの研究所を設立し、効率的で「働く人が活きる」オフィスづくりを突き詰めていった。結果、そのノウハウがコロナ禍での企業のオフィス変革に大きな力となったのだ。
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